漂白のルワンダ  吉岡逸夫・著

 ツチ族とフツ族の争いで100万人の大虐殺があった言われる1994年のルワンダ内戦。難民救済を目的に派遣された自衛隊。新聞社のカメラマンとして同行した筆者が書き記した渾身のドキュメンタリー本です。古本屋で買い求めてから、ずっと書棚にあったけれど気が乗らず読めなかった。作者の吉岡さんが亡くなった事を最近知り、突然ですが一気に読んでしまいました。ツチ族とフツ族の歴史的な因縁から虐殺までの過程。関係各国の思惑、それに振り回される現地に暮らす人々、どこか平和ボケしている自衛隊員の話など、知らない話ばかりで早く読まなかった事を後悔した。

そして今日、大阪国際メディア図書館である写真集を見つけた。

ルワンダ ジェノサイドから生まれて
ルワンダに生まれ育った人のポートレートと、その人々にまつわるエッセイで構成された写真集です。ルワンダ内戦時に女性は性的虐待を受け2万人の子供が生まれたとか、多くの人々は日本では思いもつかない虐待された過去を持ってること、が記されてました。ポートレートに映る人々は、皆、自然な表情で素敵な写真ばかり。とてもそんな過去があるようには感じない。

「見ればわかる」なんて大間違い「見てもわからない」これを写真家は引き受ける義務がある、そう作者は言ってます。
すごいヘビーな内容でした。でもこれも書籍や写真集が、あるから知れたこと。
写真家の仕事は、見過ごしている事や、気づいていない事を、そっと世の中に知らせること、そう言った写真家がいました。そっとじゃなく、ズドンと世の中に知らせることジャーナリストの本質を知れた週末でした。

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