メルケル 世界一の宰相

ワールドカップのドイツ戦、よくぞ勝ったと思いながら浮かんだことが、メルケルさんは、この試合もパブで見てるんだろうか?ってこと。アンゲラ・メルケルさんは東ドイツ出身の政治家。ドイツ初の女性首相。ロシア語を使い、プーチンに対しても物申す杞憂な存在。オバマとの良好な関係。サミット中にチャンピオンズリーグの試合を観戦するほどのサッカー好き。自宅にはテレビがなく大勢で見た方が楽しいという理由もあってもっぱら観戦はパブ。プライベートは、ほとんど明かさず。演説は下手。超庶民派。

そんなことが書かれた書籍をタイムリーに読んでました。

「国民が求めているのは、鏡を見つめる者ではなく、問題を見つめる者。自分に焦点を当てないメルケルの政治スタイルは申し分ない。」そうコメントしたのは、メルケル内閣の国防相のグッテンベルグさん。この書籍では、メルケルさんの功績を称えるだけでは終わらず、問題だったことも取り上げていて、読んでても心地よかった。ナチスを生み出した国であるドイツの負の遺産もきちんと受け止めている。
課題に取り組む姿勢、その姿勢から出てくる態度、信念や哲学を守りながらも派閥を超えた意見を取り入れる柔軟性。ロシア、中国との交渉の姿勢。プーチンとの交渉の苦労話。シリア難民受け入れ時の人権的な観点から下した決断。ウクライナクリミア半島の紛争を鎮めた功績。ロシアが、執拗にウクライナへ侵攻を続け、現在の戦争が長引いているのは、もしかしたらメルケルさんの退任も影響してるんじゃないかと勘繰ってしまう。プーチンにとっては天敵だったはずだから。とはいえ、ロシアからドイツへ天然ガスのパイプラインを繋げたノルドストリームとか。ドイツの利益を優先した施策もあったり。綺麗ごとだけでは語れない現実的な顔も面白い。

こんな政治家、日本にいるんだろうか? 知らないだけなんだろうか?

読み終えて沸いた疑問は、メルケルさんは、どんな国にしたかったんだろう?ということ。ドイツを『普通の国』にすることを一つの目標に掲げてたとか。過去の痛ましい負の遺産を背負う東ドイツ出のメルケルさんらしいけれど、それは前進したんだろうか?ちなみに日本の政党は、『決断と実行』『生活安全保障』『日本を前へ』・・というキャッチフレーズです・・・。

 ワールドカップで、日本がスペインを破る、ドイツ戦に続く大金星。結果、ドイツは予選敗退に。さて、メルケルさん、どこでどんな心境で観戦してたんだろうか?
とっても知りたい。

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