映画「スープとイデオロギー」と四・三事件

ふと、お気楽な映画を観てみようと、題名だけで選んだみました。が、いい意味で裏切られました。

気楽なんてとんでもない。テーマは重く、内容は濃く、国家に振り回された波乱な人生を生きた証を残す、素晴らしいドキュメンタリーでした。済州島で起こった傷ましすぎる四・三事件、全く知りませんでした。朝鮮半島を分断する政治的な弾圧。隠された史実が、あまりにもむごい。

気楽な映画を期待して見始めたので、序盤で見ることを辞めようかと思ったんですね。でも、いつのまにか引き込まれてました。描かれているのは傍目には普通のどこにでもある家庭。でも衝撃の過去を背負って生きているこの家族は、その過去に苦しめられることになります。日本では殆どの人が知らないであろう隣国で起こった隠蔽されていた悲惨な出来事。それを伝えて過去に残す。残す意味のあるものなのか?それは、未来の人が決めればいいと思うけれど、この映画は残す価値が大いにある。そんな映画でした。

四・三事件のこと詳しく知りたくなって、関連本読み始めました。

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