ピアノマン
ピアノマンと聞くと、ビリージョエルの名曲を思い出します。ピアノ弾きとして稼いでいた若かりしビリーが見た光景を歌にしてますが、これは漫画ブルージャイアントのアナザーストーリーの小説。
ブルージャイアント主人公のサックス奏者、宮本大の相棒でJASSのメンバーであるピアノ奏者の沢辺雪祈(さわべゆきのり)の目線で書かれたものです。
映画ブルージャイアント、そのもののストーリが綴られてます。
小説単品としても一級品ですが、映画ブルージャイアントをセットで鑑賞すると、面白さは何十倍にも広がる気がします。読みながら映画の光景が、頭の中をグルングルン浮かんで楽しかったです。
冒頭の雪折の幼少時代のエピソード。音が色で見えるという部分。音の高い低いや、ドレミという音階の基礎知識を知る前に感じた純粋で天才的な感覚。ちょいと身につまされました。大人は固定観念満載で接してしまい知識を得ることで失くすものもあることを。その音が色で見える感覚は、小説の最後に、パワーワードとしてドンと読者の心に響かせてくれます。
何よりストーリー展開に、泣かせられます。
青春を感じられます。
こんな生き方、ありだなとか。
この小説に出てくる人に、悪い人は見当たらない。人の弱さや嫌な部分もきちんと描写し、そして芯の部分で人としての誠実さが滲み出る人達が、いっぱい登場するところも、この小説に引き込まれる理由なのかなと。
ほんと名作です。
超おすすめです