FaraWay Boat 尾仲浩二 奈良市写真美術館

 コロナの影響なのか? いつものことなのか? アート観賞には好都合なほどガラガラでした。
まずは最初の展示ホールで入江泰吉さんの「道」。奈良大和路のスポットライトとは無縁の静かな道の写真が続きます。なんてことない大きな額装された風景写真。なぜか圧倒されるわけではなくふわっと包まれるような感覚になりました。ノスタルジー?牧歌的? 素直な色彩がすごく良い。絵画に負けない写真ならではの作品ですね。こんな写真撮ってみたい。この美術館は、「入江泰吉記念 奈良市写真美術館」という名称なので、この写真家はすごい人なんだろうね要チェクです。
 次のホールには尾仲浩二さんの「FaraWay Boat」。「いつどこで撮ったかはそれほど大切なことではないし、なぜ撮ったかなどどうでもいいことなのだ。 時の流れの中を漂う船、それが写真だと思う。」そんなコメントがありましたが、よく解らない・・。 カラーとモノクロのスナップです。最初の印象は森山大道風。僕は森山大道の作品がどうも解らない。この作品群もよく解らなかったです。左下がりの構図やピンボケの写真。傘をさす写真にはソールライター風な印象も受けたけれど、ちょっと違う。ねちっこく肌にまとわり付く感じを受けてしまいました。僕は乾いた感じのほうが好きなのかもしれないです。ちょっと気分転換したくなり、先程の入江泰吉さんのホールへ戻り、深呼吸するみたいにしてホールを後にしました。
 展示作品のコンタクトシートを見ていたら、僕はこんな風に写真を撮らないなと。構えることなく、パッと撮る。やられたって思ってしまいました。スナップの本質はこれだと。そうか「時の流れの中を漂う船、それが写真だと思う」この意味、なんかね悔しいけどやられました。

街角のギャラリーには無い趣のある空間。この美術館すごく良い。次回は石川直樹さんの写真が展示されるらしいので、すごく楽しみです。

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