なぎさ 山本文緒
山本文緒さんにハマってます。
亡くなる直前まで癌の闘病生活を綴ったエッセイ「無人島のふたり」を読んで山本文緒さんを知った。それから、ずっと山本さんの書籍を探して読んでます。
この「なぎさ」という小説は、2013年に短編やエッセイが多い山本さんが15年ぶりに書いた長編小説だとか。
負の人生の重荷があって、なかなか前向きに自分の足で歩けない主婦が、周りに巻き込まれながらも、マイナスなことをきちんと受け止め人生を歩もうとする心の変化や情景を、綴った話。
山本さんの文章は、繊細で優しい。こんな文章を書けたら気持ちいいだろうなという単語選びに憧れわ抱きながら、ストーリーが進んでいく。
受け入れることって時には、とても苦痛なこと。避け続けるという選択も当然ある。でも受け入れて次に進むことで好転すること、それがストーリーのベースにあって、それを表現したかったんだろうなと思います。
山本さんは、心の機敏を表現することが、上手いと思う。
文才あるよなと、文才のない私が言っても納得感はないんだろうけど、山本さんの作品は読んでいて、とても心地よい。