イズムを伝えるということ

毎年、桜の季節になる今ごろ、パナソニック本社にある、さくら広場桜を堪能して、松下幸之助歴史館を覗くことが恒例のイベントになってます。
さくら広場は安藤忠雄さん設計の半円形の段々となった場所に桜が植えらた市民へ開放された憩いの場所。パナソニック本社の敷地内ということもあって、職員の方がちょっとやりすぎじゃないかと思うほど丁寧に整備されていて、清潔に保たれてます。

そのさくら広場の隣に、ものづくりイズム館、松下幸之助歴史館があります。どちらも入場無料の太っ腹。
展示されてるものが、大きく変わることは少ないけれど、毎回毎回、刺激というか、言葉の重みに頷いてしまいます。今でも充分通用する言葉の数々。思想を伝えるということの大切さを、パナソニックは、わかってると思うんです。そして、これだけのものを作ってもなお、伝えることが難しいことも。毎年、訪れてても、来て良かったなと思う。そして、こういう場所が、近所にあることを、幸せに思います。
このふたつの建物、門真の地に本社を移した時の本社の社屋を再現し、建てられてます。
どっちも同じ形。
屋根には船の舵が、据え付けられてます。当時、松下幸之助さんは会社の進路を示すモニュメントにしていたとか。瓜二つの建物ですが、この舵の色が、違うんです。なんだか船舶に似てるなって思ってました。
初代の訓練船で同型の帆船、日本丸と海王丸の見分け方は、マストの先端が白か茶で違うとか、2代目は、救命ボートが白と赤で見分けたりと、そういう小さな、でも解る人には解る、区別を施すんです。


僕は、こういう拘りが大好き。
大きな大義は同じ、でも小さなことで、個を主張するみたいな。
哲学や思想って、なかなか真面目に語る機会ってないと思うんです。でも、生きる上で、生活する上でも、とっても大切なことだと思うんです。それを、きちんと伝え受け継ぐことも。
写真にも、そういう哲学や思想が、影響すると思っていて。それが写真を通して受け継がれると嬉しいですもんね。