澤田知子 狐の嫁いり
このタイトル付けた方は天才かも。これでもかって数の澤田さんの写真が並んだセルフポートレート。失礼ながら美人とは言い難い澤田さんのこの写真を見て、何これ?って思う人は純粋に多いと思う。初めて澤田さんの作品を知った時の僕がそうでしたから。でもこの個展を見たいと思ったんです。それは、この記事を読んでから。
そうか、なるほどタイポロジー作家なんだと。そう合点がいくと、展示作品が、ストンと腑に落ちて、さらにタイトルにニヤッとしてしまった。
この一連の作品を眺めていて澤田さんはきっと自分の存在を確かめたかったんじゃないかと。これは全部本当に私なんだろうか?澤田さん自身も疑っていたのかもしれない。AIの顔認証は全てを澤田さんと認識するんだろうか? 検証してみたい衝動に狩られたけれど、すぐに辞めた。そんなことに何の意味もないことに気づいたから。
美術館の出口付近で、たまたま澤田さんとお会いでき、少し話をさせていただいた。写真から気難しい人をイメージしてしまっていたが、そんなことはない。とてもチャーミングな礼儀正しくそして気さくな方でした。別れてから、ん?本当にあの写真の人? 狐につままれたような感覚になってしまった。澤田マジックにやられてしまったみたいですね。