MINAMATA

小さな頃、新聞でよくみた「水俣」という文字。「水俣病」という地名が付いた病名を地元の人はどう受け入れているのか? そんな疑問を持ち、詳しいことは解らないけれど水俣は危ない場所という思い込みが、幼少の僕には少なからずあったと思います。ユージンスミスという写真家を知ったのは、夫人であるアイリーンさんと面識をもったことがきっかけ。写真集を見て、書籍を読んで、もの凄い人なんだと知り、アイリーンさんを通して環境問題のこと、女性ということで写真家として認めてもらえない現実、そしてこの映画「MINAMATA」のことに、興味を持つようになってました。完成したものの、なかなか日本で上映が決まらなかったこの映画。映画の内容から、大人の事情が背景にあるんでしょうね。
ユージンスミスの情報はある程度解っていたので映画を見て新しい事を知った訳ではなかったけれど、映画を見終えて、純粋に上映出来たことに、ほっとしたというか、よくぞ作ってくれたと思ったのが最初の感想。ユージンスミスになりきったジョニーデップが凄すぎて、他の出演者が霞んでしまったかもしれない。いや日本人俳優もすごいんだけどそれ以上だったから。冒頭からスクリーンに引き込まれる凄いアングルで始まり、ロックなサウンドとハリウッド映画だと感じるスピーディーなアメリカでのカットが続き、この調子で最後まで突っ走られると着いていけないかもと不安になり始めた頃に、ゆったりとしたテンボに変わる。日本のシーンでは演劇くさい演出が、野暮ったいと思ったりもしたけれど、エンドロールまであっというまでした。
ユージンスミスが主役ではあるけれども、人災として捉えた環境汚染への問題提起ですね。時間が解決する問題は、数多くある。この水俣病の問題もそうかもしれない。けれど、風化させることなく次の世代に伝えるべき事、この問題はまだ終わっていない事を、世界に知らしめる意味でとても意義のある深い作品ですね。

 ユージンスミスを英雄化するとか、被害者を哀れむとか、そういう極端な演出が見えてこなかったことも好印象。
映画ですから、史実を誇張してる部分は、あるんだろうとは思いますが、水俣病の事、人災としての環境汚染を知るきっかけとしても日本人は必見の映画だと思います。

日本人には作れない映画だと思う。
でも日本人に作って欲しかった映画だとも思いました。

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