杉原千畝 情報に欠けた外交官

インテリリジェンス・オフィサー杉原千畝の足跡を辿る名著ですね。圧倒的な取材力と考察に基づいて記されています。映画「菅原千畝」を観たのはずっと前、この本を読んでまた観たくなりました。杉原千畝が、外交官としてヴィザを発給し、多くの方を救ったのはよく知られるところ。今の外交官の倫理規定に照らし合わせると、とんでもないことをしてたんですね。マニュアル通りのことしかやらないと思われている役人のイメージからは、ほど遠い印象。問題とならないような裏工作もしていたようです。推測とはいえ、なるほどと思う考察が面白いです。今の世の中、規制やらルールやら、誰かが決めたことを馬鹿正直にやってる人が称賛されたり馬鹿をみたり。ちゃんと自分で情報を集め、きちんと考え、自分の信念のもと行動する。杉原さんが生きていた時代も、今も難しいことに変わりはないんでしょう。

ドイツやロシアで、この杉原さんの洞察力に基づいた行動は、どう観られてるんでしょう。本書でもいくつか、その視点が語られていますが。一冊マルっとその視点から観た本を読みたいなと思いました。

ナイスな本でした。

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