マリウポリ 7日間の記録

すごい映画でした。

ロシアに攻撃され続ける中、避難先の教会地下で暮らすマリウポリの人達の記録。

ナレーションはなく、ただただ撮影されたものが流れる。教会の周り、教会の地下、教会から望むマリウポリの街。アングルはそれだけ。鑑賞中、ずっと爆撃音が響いてます。遠くに聞こえる爆音はずっとあって、すぐそばで落雷が落ちたような爆音が不定期に爆風と共に鳴り響く。天候悪化の落雷は、やり過ごせば止まるけれど、こちらは、その恐怖がずっと続く。大きな爆音に、ビクッとしている人達の反応が一層リアルな追体験をしている感覚になる。

そんな暮らしの中でも、食べ物は分け合い、そして教会の前で爆風で飛ばされたガラスの破片や瓦礫を片付ける。教会が危ないとなり、そこから撤去を余儀なくされる人達。その先のことは伝えてはいなかったけれど、ウクライナの人達は、明日のこともわからない不安な日々で暮らしていることを、この映画は伝えています。

 この映画のフィルムを回し続けた監督は、親ロシア派に連れ去られ殺されたとのこと。そんな危険と隣り合わせの中で暮らす人達を残したことに、とても価値があるんだと思う。

娯楽として観れるものではないの。だから興行的にメジャーな映画館では上映されないんだろうけれど、今観るべき映画の一つなんだろうと思います。

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