手帳は未来の自分への手紙

社会人になってまもなく高価な手帳を手に入れました。確か東京の百貨店で、二十代の時。ファイロファックスのシステム手帳。クレジットカードで買った初めてのモノだったような気もします。身分不相応な革の手帳を買ったのは、その手帳を使うことがかっこいいと思ったのと、そんな手帳を使いこなせる人になりたいとも思ったから。雑誌で坂本龍一さんが使ってると知ったことがきっかけなんだけれど。使い始めた頃は、多くの予定がある訳ではないし大したことは書いてなかったと思う。でも手帳に書いた事を見返す習慣は、この頃に出来上がった。そんな若い頃から仕事も、手帳も変わり、30年以上経過したけれど、常に手許に置いて手帳は使い続けてます。スケジュール管理と、その時に思いついたこと、心に残ったことを、忘れたくないことをメモするくらいですが。
 ある時、これは「未来の自分への手紙」じゃないかと。そう気づいたんです。今はこう考えてこう思ったけれど、未来はどう? そんな風に。
そう発見した時から、書くことがとても楽しい。人に見せる気がないので、正直に書けることも気楽でいい。

 いろんな手帳を使いましたね。「7つの習慣」の超信者でもあるので、そのオフィシャルな手帳を使ったこともある。普通のノートを手帳代わりにしたことも。今は、ほぼ日手帳のWEEKSと、コクヨの測量野帳、それにトラベラーズノートを併用中。ほぼ日手帳はスケジュール管理と日々の日記。測量野帳はアート鑑賞やら旅の記録。トラベラーズノートは、写真関係の雑記帳、テクニック的な記録など。その年によって使い方を微妙に変えてますが、最近はこれで落ち着いてます。

 手帳といえば、博物館の展示の中に、それに関係する方が使っていた手帳やメモが展示されていることがよくあります。僕は、それにすごく興味がある。最近は、手帳もデジタルに移行してる人も多くて、そんな展示も無くなるのかと想像すると、ちょっと寂しい。その方が亡くなったら誰も見れないですもんね。


 さて京都へ行ったついでに、愛用中のトラベラーズノートの京都店を覗いてきました。トラベラーズノートの公式オフィシャルブックの発売日だったので、それも見たくて。トラベラーズノートは、発売まもない頃に、とある画材屋さんで見かけて動街買い。一枚革のシンプルな手帳。好みの薄いリフィルを挟み込み、ゴムバンドで束ねるという仕様。使い込むと味が出る革の風合いが好きだったのと、カスマイズの柔軟性、そしてデザインが僕の嗜好にあってました。毎年、毎年、手帳の用途を替えているので、使わない時期もあったけれど、使い出すと良いなぁと毎回思います。限定盤のブルーが出た時には、それも手にいれたほど気にいってます。昔はモールスキンと言ってたモレスキンの手帳も、世界中にファンがいるほど、旅の世界観があって好きなんですが、このトラベラーズノートの世界観も同じくらい好き。使い込むことを前提にした無骨な感じが、旅にぴったり。
トラベラーズノートのお気に入りのリフィルは、薄い材質の軽量紙。僕はメモ魔で、すぐに使い切ってしまうので、ページ数が多いのは使いやすい。LAMYの万年筆の純正インクだと裏写りが激しいけれど、他の万年筆だと大丈夫。紙質によるペンとの相性を探るのも面白い。ちなみに、コクヨの測量野帳はペンテルのエナージェルのボールペン。ほぼ日手帳はJetstreem。トラベラーズノートは、ほとんどのリフィルで万年筆との相性がいい。今の時点でのベストなペアリング。

トラベラーズノートのお店で、とても嗜好のあう商品を見ていると居心地がいい。
それに、お店で買い求めた、トラベラーズノートの公式本。
写真がとても良い。

手帳は未来の自分への手紙
写真は想い出を操る道具
そんな言葉が浮かんできました。


僕の手帳がいつか博物館に並べられるといいなぁ・・。

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