三千円の使いかた 原田ひ香
読み終わるのに1ヶ月ほどかかりました。
別の本をつまみ読みしだしたら、お腹いっぱいで手が伸びず・・。最近、この手の小説がブームなんだろうか?「老後の資金がありません」とか、身近に起こりえることを題材にした軽いノリの小説が多い気がする・・。
一人暮らしをしていた学生の頃、毎月送られてくる緑の現金封筒の仕送り。バイトしていたとはいえ、お金は無い。ありがたかったですほんと。緑の封筒を見ると、懐かしく胸がキュンとなる、そんな感覚があります。そういえば現金書留って今あるんでしょうか?
社会人になった当初、お金を貯める最良の手段は、残ったお金を貯めることではなく、強制的に貯め続けることだと知りました。収入の定額を毎月自動で定期預金に積み立てる方法で、これ確実に貯まります。今では定期預金がインデックスファンドに変わったけれど、ずっとそのやり方をしています。この小説の中でも、そのことが出てきます。知識としてあらためて教わった感じですが嫌味なく入ってきます。この小説のポイントは、お金の使い方って人生だよねってこと。どう使おうが個人の勝手ではあるけれど、幸せの感じが方が人それぞれだと思うように、お金の使い方で幸せのベクトルや濃度が変わること。こういう人いるよねって登場人物が、身近で起こり得るドラマ仕立てで気づかせてくれる。普通の話なのでサラッと読める。そして、ほろっと出来るそんな小説ですね。
あとがぎは「老後の資金がありません」の著者が書いてます。
まぁ納得です。