エリオット・アーウィット 美術館へ行こうよ!

美術館へ行こうよ(1998)エリオット・アーウィット(1928-) パリ生まれ10才でアメリカ移住の写真家

美術館に行くと作品を夢中に見てる人達を、眺めていることがあります。このシーン撮りたいなって思いながら。日本では多くの美術館で写真撮影が禁止されていました。最近は常設展は許可してる美術館も増えてきたけれど、やはりまだまだ少数派でしょうか。 この写真集は、そんな美術館で作品に触れ合う人達を主題にしてます。作者は「小さなカメラで、監視員の目を盗んで撮影した」とのコメントを残してます。そうか、アーウィットは、普通に作品に触れる人達に興味を持ち、衝動的に撮りたくて撮影したんですね。美術館って作品と同じくらい人間観察出来る場所ですからね。後半は観光地、宮島とか京都とか、ピサの斜塔なんかも題材にしてます。ビジュアル+ユーモアが作品に散りばめられていて、アーウィットは人が好きなんだろうね。こっそりと撮ってるんでしょうけど、撮られて人からも、にっこりとされてる感じがある。


アーウィットの「我われは犬である」(1992)という別の写真集は、犬を人と見立てて撮影しています。人にカメラを向けると、色々と面倒なことがあるけれど、犬なら、カメラを向けても何も言われないと。なんかね、感覚が一緒だなと。写真家って、なんかズカズカ入り込む人が多いイメージありますよね。マグナムフォトのメンバーだって知ると余計にね。

『私にとって写真とは観察の芸術だ。ありふれた場所で何かおもしろいものを発見することだ。自分が「何を」見ているかというのはあまり関係ない。それを「どのように」見ているか、がすべてである』

こんな言葉も残してます。

なるほどね、写真集見てると解る気がします。

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