三陸巡りと「鹿の夢」
友人の写真家・駒崎佳之さんが仙台で個展「鹿の夢」を開催中。応援のついでに三陸を少し巡ってきました。コロナと豪雨の予報もあって、機動力の高いバイクでの遠征は諦め、飛行機で仙台へ向かうことに。雨降る仙台空港でレンタカーをピックアップして4日間、三陸沿いを気の向くまま。三陸には、震災の直後にバスと列車を乗り継ぎ、あちこちで路線や道路が寸断されパズルのように先へ進んだことを思いだします。その後、仙台市内には仕事で訪れることはあっても、岩手の方まで足を伸ばす事がなかったので良い機会でした。雨の中、海岸沿いを走り気になった場所で車を停め、また先へ進む。津波予防の防潮堤は、予想以上に建設が進み、そのスケールに驚くばかり。ただ、いまだに残る震災の傷跡や津波到達点のプレートを見ていると、これでも足らないんじゃないかと思ったりもしてました。美しい景観と命を守る防災の視点。地元の方の葛藤は、関西に住む僕には想像すら出来ない難しさを感じます。
震災を後世に伝えるための施設では、地元の方の想いの強さと深さに、正直、圧倒され放しでした。
そんな旅の最後に、仙台へ戻り、せんだいメディアテークで駒崎さんの写真展「鹿の夢」です。人も生き物の一種、少し考えてみれば解る当たり前だけれど忘れかけている命の循環をテーマに、何度も通った「三陸」と自らが住まう滋賀の「針畑」を舞台に撮影した作品達。何度も見てきた写真だけれど場所が変わると見え方が違いました。 三陸を巡ってきた直後というのもあると思います。アート作品は、自分の心の持ちようで見え方が変わる。アートという目線で見ることが正しいか否かは、見る人が決めれば良いと思うけれど、ジャーナリズム的な視点とアート的な視点を併せ持つ独特な感性が駒崎作品の真髄なんだろうと、作品を見ながら思ってました。一人でも多くの方が、この作品を目にすると良いのにと思いながら。
旅すると、地元の人や、たまたま隣り合った人と話し込む時間が好きなんだけれど、今回はコロナ感染の予防ということで、人目を避けるように行動し、会話は、ほぼゼロ。それがストレスになっていた事を帰りの飛行機の中で知りました。
これは楽しくない・・。
感染を気にせず人の暖かさを感じられるような世の中に戻る事を切に願います。
それにしても、ほんとずっと雨・・。
三松さんご夫妻に感謝!
応援鑑賞ありがとうございました。
来場者の方々の反応が、やはり京都展とは違っていて、とてもよい経験をしています。
あと2日、頑張ります!